亜鉛

説明

亜鉛は必須微量元素の中では鉄についで2番目に多く生体内に存在するミネラルです。生体内ではほとんどの亜鉛はたんぱく質と結合して骨、歯、肝臓、腎臓、脾臓、筋肉、前立腺などに存在し、体液では精液に多く、血液中に含まれる亜鉛はごく微量です。

亜鉛は200種類以上の酵素の活性に関与し、体内の多くの生理機能に重要な役割を果たしています。おもに酵素の構造形成や維持、酵素反応の活性化、ホルモンの合成・分泌の調整、DNAやたんぱく質の合成、免疫機構の補助などにかかわっています。特に細胞分裂が盛んに行われている場所で、亜鉛の働きが欠かせません。

亜鉛の不足は胃腸機能、免疫機能の低下などから下痢を引き起こすこともあり、皮膚炎や精神障害、男性機能不全、貧血が起こる可能性があります。インスリンの合成にも亜鉛が欠かせないので、糖代謝に異常が表われることがあります。また、亜鉛には味覚を正常に保つ働きがあり、不足すると味覚障害を起こすことがあります。

亜鉛は毒性が低く過剰に摂取しても余分な亜鉛は排泄されるので過剰症になることはあまりありません。大量に摂取して過剰症を引き起こした場合は、銅や鉄の吸収阻害の作用があるので銅や鉄の欠乏を招くことがあります。また、銅や鉄の欠乏から貧血や免疫障害、神経症状などを引き起こしたり、善玉であるHDLコレステロールの血中濃度を低下させることもあります。

微量ミネラル食事摂取基準(厚生労働省2010年版)